貿易会社への転職で「技術・人文知識・国際業務」に変更するには ― 仕事の経験を書類で示すための準備
中古車の輸出などを行う貿易会社へ転職し、在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変えたい方へ。海外取引の仕事では3年以上の実務経験が求められ、その経験を書類で示せること、転職先の会社が実際に事業をしていることが前提になります。ご本人と会社がそろえる資料と、ご相談の流れをまとめました。
日本の貿易会社に転職して、在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変えたい、というご相談が続いています。中古車や部品の輸出を手がける会社で、海外の取引先とのやりとりを担当する、というケースです。
この記事は、学歴ではなく、仕事の経験にもとづいて申請する場合の話です。何が求められ、どんな資料をそろえることになるのかを、ご本人と転職先の会社の両方に向けて整理します。
この記事の対象になる方
弊所がこの申請をお引き受けするのは、次の二つがそろっている場合です。一つは、これまでの仕事の経験を書類で証明できること。もう一つは、転職先の会社が実際に事業をしていることです。
どちらかが欠けていると、申請書をきれいに整えても、許可の見込みは低くなります。逆に言えば、この二つを資料で示せるかどうかが、準備のほとんどを占めます。
海外取引の仕事には、3年以上の実務経験が必要です
「技術・人文知識・国際業務」で海外取引の仕事に就く場合、これから就く仕事に関連する仕事について、3年以上の実務経験が求められます(法務省令で定める基準。いわゆる上陸許可基準)。
ここで大切なのは、「3年以上働いた」と言えることではなく、それを書類で示せることです。出入国在留管理庁は、提出された資料から経験の期間と中身を確認します。
あわせて、次の点も審査で見られます。
転職先で担当する仕事が、海外の取引先との交渉や、輸出の書類の作成といった海外取引の業務であること。ヤードでの洗車や積み込みが中心の仕事は、この在留資格の対象になりません
給料が、同じ仕事をする日本人と同じ水準以上であること
仕事の内容と給料は、雇用契約書(労働条件通知書)で確認されます。実際の仕事と書類の内容がずれていないかも大事な点です。
経験証明書だけでは足りません
経験の中心になる資料は、前に働いていた会社に書いてもらう経験証明書です。勤めていた期間と、担当していた仕事の内容が書かれている必要があります。
ただ、経験証明書だけでは足りません。その会社が本当にあること、海外取引をしていたこと、そこでご本人が本当に働いていたことがわかる資料を一緒に出します。弊所では、次の資料をお願いしています。
前の勤務先の登記簿謄本(登記事項証明書)
その会社の海外取引のINVOICEや船荷証券(B/L)
ご本人の給与明細
このほか、ご本人には、在留カード、パスポート、証明写真、履歴書、卒業証明書、市区町村の課税証明書・納税証明書、住民票をご用意いただきます。外国語で書かれた書類には、原則として日本語の訳文を付けます。ただ、英語の書類は訳を付けなくても読んでもらえることが多いので、どの書類に訳が必要かは、資料を見てご案内します。
転職先の会社にご用意いただく資料
審査では、ご本人だけでなく、転職先の会社も見られます。会社が実際に事業をしていて、雇う人に仕事と給料を続けて用意できるかどうかです。弊所では、中古車などの輸出を行う会社の場合、次の資料を必ずお願いしています。
決算書と法定調書合計表
古物商許可証
事務所とヤードの賃貸借契約書と写真
今年の輸出の記録(輸出許可証・B/L・INVOICEなど)
社長と従業員全員の在留カード
事務所の写真には、会社名の看板とポストが写るようにしてください。社長と従業員(これから雇う方を含む)の人数分の机・椅子・パソコンが写っていることも必要です。事務所とヤードが「ある」だけでなく、そこで実際に仕事をしていることが伝わる写真をお願いしています。
転職先の会社の方は、外国人社員が転職したとき、会社が確認すべきこともあわせてご覧ください。
ご相談から申請までの流れ
まずはお電話かメールでご連絡ください。お電話は日本語での対応です。英語やウルドゥー語の方は、メールでご連絡ください。翻訳ツールを使ってお返事し、そのあとWhatsAppでこちらからご連絡します。
初回のご相談は60分で、有料です。Google MeetかWhatsAppのビデオ通話で行うので、遠方からもご相談いただけます。お手元の資料を見せていただき、その時点でわかる範囲で、許可の見込みをお伝えします。ご相談に通訳は付きません。英語の通訳が必要な方は、オプションで手配できますが、費用はご本人のご負担になります。
ご依頼いただいたら、見積書をお渡しし、ご本人と転職先の会社と一緒に書類をそろえて、オンラインで申請します。費用は、お問い合わせいただいた方に、まとめた案内をお送りします。
申請は、いまの在留期間が切れる前にする必要があります。期限が近い方は、早めにご連絡ください。
許可の見込みについて
許可するかどうかは、出入国在留管理庁が判断します。弊所は資料を整えて申請をお手伝いしますが、結果をお約束することはできません。審査の途中で、追加の資料を求められることもあります。
弊所の行政書士は、出入国在留管理局に申請取次の届出をしています(届出済証明書番号:(名・行)第16-76(162016200076))。
よくあるご質問
前の会社に経験証明書を書いてもらえば、それで足りますか?
足りないことが多いです。前の会社が実際にあること(登記簿謄本など)、海外取引をしていたこと(INVOICEや船荷証券など)、ご本人がそこで働いていたこと(給与明細など)がわかる資料を一緒に出します。
海外取引の仕事では、何年の経験が必要ですか?
学歴ではなく仕事の経験にもとづいて申請する場合、これから就く仕事に関連する仕事について、3年以上の実務経験が求められます。その経験を書類で示せることが前提です。
転職先の会社は、どんな資料を用意しますか?
弊所では、決算書、法定調書合計表、古物商許可証、事務所とヤードの賃貸借契約書と写真、今年の輸出の記録、社長と従業員全員の在留カードをお願いしています。
遠方に住んでいても相談できますか?
はい。ご相談はGoogle MeetかWhatsAppのビデオ通話で行い、申請もオンラインで行うので、遠方からもご相談いただけます。
英語やウルドゥー語で連絡できますか?
メールでしたら、英語でもウルドゥー語でもご連絡いただけます。翻訳ツールを使ってお返事します。お電話は日本語のみの対応です。ご相談に通訳は付きませんが、英語の通訳はオプションで手配できます(費用はご本人のご負担)。
許可は必ず出ますか?
お約束はできません。許可するかどうかは出入国在留管理庁が判断します。弊所は、許可の見込みを資料にもとづいてお伝えし、申請の準備をお手伝いします。
この記事は、行政書士事務所アンドシードの記事サイト「外国人雇用と在留資格のノート」にも掲載しています。掲載元:https://lp.andceed.com/boeki-gaisha-tenshoku-gijinkoku/
English version: https://lp.andceed.com/en/boeki-gaisha-tenshoku-gijinkoku/
اردو(ウルドゥー語版): https://lp.andceed.com/ur/boeki-gaisha-tenshoku-gijinkoku/