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建設分野の特定技能、1号から2号へ ― 会社が準備する書類と、つまずきやすいところ

24 分前
読了時間: 7分
建設分野で特定技能1号から2号に変えるには、試験の合格に加え、班長としての就業日数を書類で示す必要があります。CCUSの記録不足と、会社が作る書類の誤りで止まる申請が多いため、1号のうちから準備を始めてください。

建設分野で特定技能1号から2号に変えるには、試験の合格に加えて、班長として働いた就業日数(職種によって108日以上から645日以上)を書類で示す必要があります。とくに、建設キャリアアップシステム(CCUS)に職長・班長としての記録が足りない場合や、会社が作る経歴証明書・誓約書に誤りがある場合に、申請が止まりやすくなります。1号の通算5年の期限が来る前に、いまの記録で日数が足りるかを確かめ、足りない分は社内の記録とあわせて早めにそろえ始めてください。


このところ、建設会社さまから「特定技能1号で働いている社員を2号に変えたい」というご依頼が続いています。ご本人が試験に合格し、現場でも班長として人をまとめている。それでも、申請の準備に入ると手が止まることが少なくありません。止まる原因は、たいてい会社側の書類にあります。


2号に変わると、何が変わるか


1号は、通算で原則5年までしか在留できません。2号には通算の上限がなく、在留期間は3年・2年・1年・6か月のいずれかで、更新を続けることができます。要件を満たせば、配偶者や子どもを日本に呼ぶこともできます。


会社にとっては、1号のときに必要だった支援計画(1号特定技能外国人支援計画)にもとづく支援が、2号では不要になります。


一方で、建設分野ならではの会社の条件は、2号でも続きます。建設業の許可を受けていること、CCUSに事業者として登録していること、建設技能人材機構(JAC)に加入していること(正会員団体の会員になるか、JACの賛助会員になるか)です。申請のときには、この3つを誓約する書類(分野参考様式第6-2号)に、建設業許可を証明する書類、CCUSの事業者IDがわかる書類、JACまたは加入している建設業者団体の会員証の写しを付けて出します。1号のときと同じ受入れの誓約書(分野参考様式第6-1号)も、あらためて出します。


2号の要件は「試験」と「班長としての就業日数」


ご本人に求められるのは、次の二つです。


  • 試験:申請する業務区分(土木・建築・ライフライン・設備)に対応する「建設分野特定技能2号評価試験」、「技能検定1級」、「技能検定単一等級」のいずれかに合格していること

  • 実務経験:建設現場で複数の技能者を指導しながら作業し、工程を管理する班長としての経験があること


実務経験は「年数」ではなく、職長または班長として働いた「就業日数」で数えます。必要な日数は職種によって違います。


  • CCUSの能力評価基準がある職種:その職種のレベル3に相当する就業日数。たとえば大工は0.5年(108日)以上、とび工は2年(430日)以上、鉄筋工や内装仕上の職種は3年(645日)以上で、多くの職種は1年(215日)以上です

  • 能力評価基準がない職種:3年(645日)以上


職種ごとの日数は、国土交通省が公表している一覧で確認します。申請する業務区分と、CCUSに登録している職種がきちんと対応しているかも、ここで確かめます。


日数の証明は、CCUSに記録があるかどうかで変わります


班長としての就業日数がCCUSに十分たまっていれば、証明は比較的すっきりします。CCUSのレベル3の能力評価の結果通知書の写しを出すか、実務経験の申告書(分野参考様式第6-3号)にCCUSの画面の写しを付けて出します。


CCUSに記録が足りない場合は、足りない期間について、申告書の別紙「経歴証明書」で日数を示します。経歴証明書は、会社(証明者)が、ご本人が職長・班長として働いた期間と日数を書いて証明するものです。そしてこの書類には、内容が事実と違っていた場合は在留資格を取り消されても異存がない、とご本人が誓約する欄があります。


ご依頼いただいた2社は、どちらもCCUSの記録が足りないケースでした。現場では班長として働いていても、CCUS上では職長・班長としての就業日数がほとんど残っていない、ということは珍しくありません。そうなると、経歴証明書の中身の正確さが、そのまま申請の土台になります。


書類は膨大で、会社が作る書類の誤りが目立ちます


2号の変更申請では、ご本人の書類のほかに、会社側で次のような書類をそろえます。


  • 特定技能雇用契約書と雇用条件書、賃金についての説明資料

  • 会社の登記事項証明書や決算書類、社会保険・労働保険・税の納付状況がわかる書類(同じ年度内にすでに特定技能外国人を受け入れている会社は、出さなくてよい場合があります)

  • 受入れに関する誓約書(分野参考様式第6-1号)と、2号の受入れ機関としての誓約書(分野参考様式第6-2号)

  • 建設業許可を証明する書類

  • CCUSの事業者IDがわかる書類(登録後に届くハガキかメールの写しなど)

  • JACの会員証の写し、またはJACに加入している建設業者団体の会員証の写し

  • 試験の合格を証明する書類

  • 分野参考様式第6-3号の申告書と、CCUSの画面の写しまたは経歴証明書


量が多いことに加えて、実際の案件では、会社が作った書類や取り寄せた書類の中身に誤りが見つかることがよくあります。たとえば、経歴証明書に書いた就業期間が雇用契約書の入社日と合っていない、日数の合計が合っていない、申告書に書いた職種がCCUSに登録している職種や申請する業務区分と食い違っている、誓約書の会社名や所在地が登記と違っている、といったずれです。


入管は、出された書類どうしが合っているかを見ます。一つの書類のずれが、ほかの書類の信用まで下げてしまうこともあります。弊所では、会社に作っていただいた書類と取り寄せていただいた書類を、提出の前にすべて照らし合わせて確認し、直すところがあればお伝えしています。


1号のうちから準備しておくこと


班長としての就業日数は、あとから増やすことができません。1号のうちからの準備が効いてきます。


  • ご本人のCCUSの技能者登録と、会社の事業者登録をすませておく

  • 現場で班長として働いた日が、CCUSに職長・班長としての就業日数として残るようにしておく(元請の会社とも確認してください)

  • CCUSに残らなかった期間について、班長として働いた現場と日付を社内でも記録しておく(経歴証明書の根拠になります)

  • 試験の日程を確認し、1号の通算5年の期限から逆算して、早めに準備を始める


採用の段階から2号への道筋を見せることが、外国人材の定着にどうつながるかは、外国人材が辞めない会社は、採用の時点で「2号への道」を見せているに書きました。


許可が出たあと


2号の許可が出て在留カードを受け取ったら、会社は国土交通省の外国人就労管理システムで「2号移行報告」をします。2号の在留カードの交付年月日を入力して報告します。


ご相談から申請までの流れ


まずはお電話かメールでご連絡ください。初回のご相談は60分で、有料です。会社のご担当者さまとご本人の資料を見せていただき、その時点でわかる範囲で、許可の見込みと、足りない書類・直すべき書類をお伝えします。ご依頼いただいたら見積書をお渡しし、会社のご担当者さまと一緒に書類をそろえて、オンラインで申請します。


申請は、いまの在留期間が切れる前にする必要があります。期限が近い場合は、早めにご連絡ください。


許可の見込みについて


許可するかどうかは、出入国在留管理庁が判断します。弊所は資料を整えて申請をお手伝いしますが、結果をお約束することはできません。審査の途中で、追加の資料を求められることもあります。


弊所の行政書士は、出入国在留管理局に申請取次の届出をしています(届出済証明書番号:(名・行)第16-76(162016200076))。


よくあるご質問


試験に合格していれば、2号に変更できますか?

いいえ、試験だけでは足りません。建設現場で班長として働いた就業日数が、職種ごとに決められた日数以上あることを、書類で示す必要があります。


CCUSに就業日数がたまっていない場合は、申請できませんか?

申請はできます。足りない期間は会社が作る経歴証明書で示しますが、内容が事実と違うと在留資格の取消しにつながる書類なので、雇用契約書や出勤の記録と合っているか慎重に確かめてください。


2号になっても、会社がJACに加入している必要はありますか?

はい、必要です。建設業の許可、CCUSへの事業者登録、JACへの加入は2号でも会社の条件で、申請のときに誓約書と会員証の写しなどを出します。


2号になったら、支援計画にもとづく支援は必要ですか?

いいえ、2号では支援計画にもとづく支援は不要です。ただし、許可が出たら外国人就労管理システムで「2号移行報告」をする必要があります。


許可は必ず出ますか?

お約束はできません。許可するかどうかは出入国在留管理庁が判断します。弊所は、許可の見込みを資料にもとづいてお伝えし、申請の準備をお手伝いします。


この記事は、行政書士事務所アンドシードの記事サイト『外国人雇用と在留資格のノート』にも掲載しています。掲載元:https://lp.andceed.com/tokutei-ginou-kensetsu-2go/

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